パーソナルトレーナー 布瀬川 謙介の
ランクアップ身体論

2017.07.30更新

・骨盤前傾? 後傾?

競技力を向上させる、悪い姿勢を改善するなどの目的を達成させるために、骨盤の前傾・後傾が注目されることが多くあります。

骨盤の角度や位置は重心位置に影響を与えるので、その部分にテコ入れしようとすることは間違いではないと思いますが、その方法論には疑問を感じます。

例えば、出っ尻・反り腰の姿勢は骨盤が前傾して見えるので、下腹を締める、またはお尻を締めるなどをして骨盤を後傾させようとする人がいます。

ですが、この方法では重心を良い位置に置くことが出来ませんし、腰痛になるリスクがとても高くなります。

出っ尻・反り腰による骨盤前傾も、腰が落ちて骨盤が後傾するのも、傾いているというより「前、または後ろに倒れている」と言った方がいいと思います。

なんで前や後ろに倒れてしまうのかと言うと、天井が崩れるかのように肋骨(胸郭)が落ちてスペースが無くなってしまい、腰椎、骨盤をきちんと起こせない状態になっているからです。

下図の真中と右側の絵のようにスペースが狭い状態で力ずくで逆方向に押し込んでも、ちょうど良い位置で伸びることが出来ずに行き過ぎてしまい「イタチごっこ」になってしまいます。

abc

 

ポイントは反対方向に動かすのではなく上のスペースを作ってあげればいいのです!

出っ尻・反り腰の人も、腰が落ちて腰や背中が丸まっている人も、胸郭を挙げることで腰椎を立てれば骨盤、腰椎が良い位置で立ち上がり良い姿勢になりやすくなります。

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.07.12更新

こんにちは、布瀬川です。

今回のテーマは歩き方です。

よくウォーキングセミナーなど歩き方についての講習会がありますが、歩き方というのは様々ですから一つの歩き方に限定する必要はないと思います。

大事なのは、歩くときに出来るだけ多くの身体パーツを使い、体に負担をかけずに歩くことです。

 

体に負担をかけないようにするにはやはり姿勢が良くないといけません。

次の例は、上手く歩けないパターンの一つです。

 姿勢

 

左側(上の絵)のようにきれいに骨が積みあがると、中心軸(赤い縦線)上で脚が振り子のように(右側)動きます。

 

ところが、↓の絵左側のように骨盤、胸郭が後ろに崩れてしまい、体を支えている部分が膝になってしまうと、中心線より体が遅れます。

 姿勢2

 

すると基準が傾き、振り子が前になります(真ん中)。

結果、絵の右側のように膝下だけで歩くようになります。

 

このような姿勢の人に『股関節をしっかり使って歩きましょう』と言っても出来ません。
当然、股関節を動かしやすくするトレーニングをしてもダメです!

歩く姿が綺麗に見えるように、肩甲骨を寄せて胸を張り、着地の際には膝をしっかり伸ばすなどいろんなことが言われますが、これらはテクニックとしてして考えるべきで、いろんなテクニックを使える応用の効く体にしておくことが必要だと思います。

まずは、背骨を中心とした骨格を理想的な状態にして体に負担のない姿勢にすることです!

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.06.28更新

スポーツでは何かと下半身の強さが注目され、それとともにスクワットなど下半身の筋トレが勧められます。

そこで今回は、筋トレのバーベルスクワットとスポーツの押し合いの時との力の発揮の違いについて説明します。

aqa        wda ※ は相殺せれた力のベクトルです

左はバーベルスクワットの絵です。

バーベルも体も抗重力方向に挙げる=1つの方向に力を発揮する動きです。

重い物を最適な状態で扱うことができます。

右は抗重力方向と相手を押す方向の2方向に力を発揮しなければならない動きです。
(さらに相手のいなしの力も加わってきます。)

相撲の押し合いの絵を例にしましたが、他にラグビーのスクラムなども同じです!

この場合は、不安定な状態で力を発揮しなければなりません。

 

スポーツで加わってくるエネルギーの方向

 ・重力方向
 ・相手の出力方向     ⇒  一定なのは重力方向だけです。
 ・相手がいなす方向

 

重心位置が常に力のベクトル上にあることがポイントなのですが、
そのためには背骨、骨盤の角度などを最適にすることが重要です!

スクワットで基礎体力を向上させることは決して無駄ではありませんが、スポーツで力を発揮するためには別の能力が必要です。

格闘技のトレーニングでただ力いっぱい相手を押す練習を繰り返しているところを見たことがありますが、力比べをするなら力が強い方が勝つにきまってますよね。

単なる力比べにならないようにするためには、重心をコントロールし脚で踏ん張らずに力を伝えなければなりません!

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.06.18更新

スポーツ選手が動きを改善しようとするとき、その運動動作で直接(主として)使われる身体パーツの動きを改善しようとしてしまいます。

例えば、

陸上の短距離では『地面をしっかり蹴る』、『股関節の動きを意識して走る』etc.と脚の動きを改善しようとします。

野球のピッチャーではボールを投げる方の腕の動きを時系列順に分けて、問題の部分の動作を改善しようとします。

自転車競技では弧を描くようにペダルを回せるように脚の動きを改善しようとします。


ところが、運動動作で直接使われる身体パーツの動きを意識して改善しようとしても、パフォーマンスはほとんど向上しないということがよくあります。
むしろパフォーマンス低下なんてことにもなりかねませんヽ(;´ω`)ノ

それは、直接使われる身体パーツの動きに意識がいくと、そのパーツに無駄な力が入り全身的な動作は悪くなってしまうからです。

それだけではなく、運動は非常に短い時間で行われるため意識した動きにはならず、動きのタイミングがずれてバランスが崩れてしまうということもあります。

 


パフォーマンスを向上させようとするなら、直接使われない身体パーツの動きを改善することで、直接使われる身体パーツの動きを意識せずに合理化する必要があります。 

短距離走では脚の動きは意識せず、姿勢と腕振りの改善で足の合理的な動きを創り出します。

 

ピッチャーなら、投腕ではない方(グローブをはめている方)の腕の動きを改善します。

目的動作より手前の動きで仕掛けることで、運動連鎖を使えるようにすることも大事です。

そうすれば投動作全体が自然に良くなり、球速も制球力も上がるはずです。

 

自転車競技のパフォーマンスはハンドルの持ち方で決まってしまいます。ハンドルの持ち方をしっかり改善することが出来れば、最適なペダリングになるはずです。


一人ひとり骨格や感覚が違うので、意識する身体パーツや動作のタイミングなど、何が最適かを見極めなければなりません。

 

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.06.07更新

今回はだいぶ前に予告して書いていなかった、「体幹を固めてはいけない理由」について説明します。

これまでに体幹トレーニングについて疑問を呈してきましたが、スポーツやダンスで体幹が大事だということについて異論があるわけではありません。

 

ボクが問題視しているのは、体幹の筋肉を鍛えてさらしを巻いたように腹部をがっちり固めてしまいがちなことです。

 

運動をする際には脊柱(背骨)の状態が重要で、生理的弯曲がきちんとしていて柔軟に動くのが理想です。

特に腰椎の可動性は高いパフォーマンスを発揮するためにとても重要です。

 

胸椎は肋骨に囲まれているので可動性が低いのに対し、腰椎の周りには可動を邪魔するものが少ないので本来は動きやすい部分です。

 

ですが、多くの人が腰が丸まっていたり、反りすぎたりしています(よく腰が落ちていると表現します)。

この状態は脊柱(背骨)の弯曲が崩れている状態なので、そのまま体幹の筋肉を鍛えるとバランスが悪いまま脊柱が固まっています。

 

また体幹を固める癖がついて腰椎が動かなくなるだけでなく、腸骨と肋骨下部も動かなくなります。

そうなると胴体はデカい荷物になり股関節だけしか使えなくなります。

 

それをわざわざ体幹を固め脊柱を固定し、股関節のストレッチで可動域を広げて股関節をしっかり使うためのトレーニングをたくさんやります・・・。

そのうちに、体への間違った意識がインプットされ、たとえ本人が体幹を力ませようとしなくても、無意識的に体幹を固めて動作をするようになってしまうので、とても厄介です。


出来るだけ多くの身体パーツを合理的に動かせるように、体幹は固めるのではなくリラックスさせておかなければなりません!!

 



 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.05.24更新

20日、21日は体操のNHK杯、ボクシングの世界タイトルマッチ、セイコーゴールデングランプリ陸上とスポーツイベントが盛りだくさんでした。

体操の内村航平選手白井健三選手の超ハイレベルな優勝争い、ボクシングの井上尚弥選手の桁違いで圧倒的な強さ、陸上男子100mではガトリン選手に挑んだケンブリッジ飛鳥選手など見応えがありました。

 

彼らのように日本を代表するようなトップアスリートは身体に対する気遣いが半端ではないのだと思います。

アスリートではない人たち,もちろん僕もですが、彼らの身体に対する向き合い方は見習い参考にすべきことだと思います。

 

多くの人が普段生活しているなかで無意識のうちに体を雑に扱い負担をかけているわけですが、意識が体に向いていないのでそんなことに気が付くことありません。

日々体の変化に敏感になることが必要です。

 

トップアスリートのような身体の使い方は真似できなくても、身体に気を使うことはトップアスリートでなくても本人の気持ち次第でどうにでもなります。

この気遣いが身体をくまなくモニタリングすることに繋がります。

 

肩こりや腰の張りを解消することや関節の痛みを取り除くこと、ウエストや脚を細くするなどスタイルを理想に近づけるためには絶対に必要なことです。

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.05.14更新

スポーツやダンスでは肩が上がってしまうことが悪とされています。

「肩の下げ方」などと検索するとたくさん出てきますね。

肩が上がってしまう原因、姿勢改善や肩甲骨周りの筋肉のストレッチの方法などが紹介されていますが、本質的な問題は肩甲骨周りだけにあるわけではありません。

肩や背中の筋力や柔軟性が増し静止状態で肩が下がったとしても、動作中に肩が上がってしまう原因を解決しなければほとんど役に立ちません。

 

動作中に肩が上がってしまう要因として肋骨(胸郭)が定位置にないことが挙げられます。

背骨とともに肋骨が上から押しつぶされ後方に傾くことで上半身と下半身のバランスが悪くなり一体感がなくなります。

また、肩甲骨を下に動かそうとして脇の下辺りを固めるとより肋骨が後方に傾き、今度はお腹が前に突き出ます。

このようにして身体パーツの配置が崩れていることが大きな要因ですので、これを解決することが必要です。

 

他にも肩が下がらない原因はいろいろありますが、まずは肋骨がきちんと配置されているか観察してみてください。

「肩を下げなきゃ!」と思い込み過ぎて、肩ばかりに意識がいくと良い結果は得られません。

 

骨格全体の配置を正すことが肩甲骨を良い位置にするためにはとても重要です!

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.05.02更新

長年バレエをやっていて同じことをずっと注意されている人は、注意されている内容を自分の概念に当てはめて考えてしまう傾向があるようです。

というより、能力的に可能な範囲でしか答えを探せないのが当然なので、求められることが出来る状態なのかが重要になります。

いくら姿勢や動作を意識しても、そもそもその動きが出来ない状態の体(骨格)であれば答えは見つからないので、まずは体を変えなければなりません。

肩が下がらない、肋骨が引き上がらない、肋骨の前が広がってしまう、アンディオールが出来ないetc.

これらの問題を解決するために肩や股関節、肋骨を意識したり、それらのパーツを使えるようなトレーニングをしてもきっと良い結果は得られません。
なんとなく動かしやすくなったと感じるかもしれませんが、それは練習した動きがスムーズになっただけで、実際の動作には使えないことがほとんどです。

いくら肩を下げようとしたり肋骨を引き上げようとしても、それは勘違いした動作なので求めた動きではないのです。

まずは、骨格を整えつつ頭から足先まで体全体を一つの物体として感覚的に把握することが必要です!

一個体として体を把握していないと、体への感覚がバラバラなので、部分的なところばかりに意識が行きやすくなり、いくら努力しても求める動きが出来るようなりません。

体を一つの物体として把握しにくくしてしまう原因は、体幹を鍛えたり、体幹を固めてバランスをとるなどの体幹トレーニングによってというわけではありませんが、本来は動かすべきところを固めてしまうことが良いと勘違いしていることだと感じます。


なぜ体幹を固めるべきではないのかについては次回ですね。

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.04.18更新

・姿勢を改善するためには

姿勢が悪いと言えば、猫背や反り腰(でっちり)が思い当たると思います。

姿勢について検索するとたくさんのウェブサイトが出てきます。
それにしてもいろいろとありチェックしたらきりがないぐらいですが、書いてある情報はだいたい同じようなものです。

ですが、自分で姿勢を改善するのは意外と大変。

きれいな姿勢を作るためにはリアルな体の意識も大切ですが、まずは骨格を簡単なブロックに置きかえてイメージすることがポイントです。

 

 ブロック

左側が正しくブロックが積まれているとして、真ん中と右の図は積まれたブロックが崩れたイメージです。

真ん中は『でっちり、反り腰』ってやつです。

 

まず、ブロックを支えている棒(脚)が傾いてしまっていますね。

そして、骨盤位置のブロックが前、または後ろに傾いてしまっています(落ちている)。


特に崩れるのがおなか部分のブロックです。どちらも腹筋が緩んで背筋は張ってしまいます。


電車の中などで見渡せばこんな人たちが山のようにいます。


おなかが出てると気になる人は、まず上の図のようにおなかのブロックがズレていないかチェックしてみてください。


この場合は、おなかを引っこめる前にきちんとブロックを積み重ねる意識が必要です。


もし、おなかを引っこめようとして崩れたままの状態のまま腹筋を繰り返せば、頑張った分だけ体が悲鳴をあげます。


なんせ腰の部分はスカスカなんですから…


いざきちんと積み上げようとした場合、結構大胆にパーツを移動させないと動かないかもしれません。なぜかというと、その人の概念の中に全くないからです。

自分の概念の中でしか答えを探せないので永遠に正確な場所が見つかるはずが無いんです。


なので各パーツの位置、角度を全然別の場所に引越しさせるような気持ちでちょうどいいぐらいです。


まず、ブロックがどう崩れているか感じてみましょう。そして棒をまっすぐに立てて、その上に正しく

積み重ねるようにしてみてください。


一生懸命頑張るのではなく、正確にやることが大切です。

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.04.09更新

いろいろなスポーツやダンスで、指導を受けている先生から「肩を下げろ!」と注意されるけど肩の下げ方が分からないと悩んでいる人がたくさんいます。

もし、そのような人に肩の下げ方を指導したとすると、よっぽど鈍い人でなければ肩の下げ方は覚えることができます。

ですが、肩の下げ方を体に覚えさたからといって解決できたと思ってはいけまん。
(肩を下げることが目標なら解決したと言えばそうなのかもしれませんが…)

 

動作の最中に肩が挙がってしまうのは、肩の下げ方を分かっていないのではなく、肩が挙がらないといけない状態になっているからです。

実際の動きの中で肩がベストポジションになければ本当の意味で解決したとは言えません。

時間をかけて肩を下げる技術を身につけても、実際の動きの中ではまた肩が挙がってしまうのがオチです。

 

例え実際の動きの中で肩を下げることができても、全体の動きとしてはスムーズさが欠けたり、動くスピードが著しく落ちたりします。

なぜなら、肩を下げることに意識が行ってしまい、他のパーツの動きが止まってしまうからです。

 

本当に解決するためには肩を下げるテクニックを覚えるのではなく、動作中に肩が挙がってしまう原因を見極め、それを解決する必要があります。

合理的に動くためには頭の先から足の先までが目的のために一致団結して動かなければなりません。

そのためには腕や脚などの身体パーツを出来るだけ物体化させて、身体重心位置を動かすことで動作することが重要です。

 

ですから、身体重心が最適な位置にあるのか、内的運動量が一致してバランスが保たれているのか、また内的運動量の一致がどのパーツで起こっているのか、その見極めが大事です。

 

これは股関節の使い方にも言えます。

ボクは以前、毎回のセッションで股関節の使い方をたたき込まれているランナーを観たことがありますが、ランニング動作はほとんど改善されていませんでした。

その人は重心位置が悪く、腰が後方に落ちて股関節も膝がガチガチに緊張している状態なので、そこにメスを入れないと速く走れることは一生無いと思います。(股関節を使うエクササイズは上手くなるかもしれませんが…。)

まずは、本人がそのことを理解する必要があります。

体全体が合理的に動いていれば、股関節はきちんと動きますし肩も良いポジションに納まります。

 

自分の頭で考えいることとは無関係に!

 

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

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