パーソナルトレーナー 布瀬川 謙介の
ランクアップ身体論

2016.12.09更新

スポーツパフォーマンスに影響を与えるものは何かを考えた場合、筋力があるか無いか、また骨格筋のバランス、体が柔らかいか硬いかが注目されやすいですが、実は筋力や柔軟性よりも体型(骨格)がスポーツパフォーマンスに与える影響の方が大きいと思います。

 

スプリント毎日新聞より

  

 例えば、短距離走でより速く走るためには、脚の質量が腕の質量に対して小さい方が有利になります。

走る時は、脚を動かすエネルギーと腕を動かすエネルギーの大きさが均一に保たれる(脚と腕の内的運動量が一致する)ので、脚の質量が腕の質量に対して小さければ、それだけ脚を速く動かすことが出来ます。(エネルギーの大きさは質量とスピードで決まってしまうので、動かそうとする物体のエネルギーの大きさに対して質量が小さければ、それだけその物体を速く動かすことが出来ます。)

脚を速く動かすことが出来れば、当然速く走ることが出来ます!

 

走力を伸ばすために脚の筋力トレーニングをたくさんやらせているトレーナーがいますが、速く走ろうとするのなら、脚力は必要ですが脚の筋肥大は避けなければいけません!

黒人のスプリンターが速い理由の一つとして、速筋線維(速い速度で収縮し、大きな力を瞬間的に発揮する筋肉)の比率が高いことが挙げられますが、黒人の体型の特徴の一つ、腕が長くて太いということも速く走れる理由の一つだと考えられます。(腕が長くて太いということは質量が大きくなりますので速く走るのには有利になります。)

黒人朝日DIGITALより

 

 

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.12.02更新

・運動は健康に良いというのは安易な考え!

運動は健康に良いとされていますが、健康のために運動をしているという人はしゃかりきになって運動をすると逆効果になることもあるので注意が必要です。

自分の意思とは関係なく体の各機能を調節するのが自律神経で、自律神経には交感神経副交感神経があります。

専門的な話になりますが、交感神経が優位になると白血球の中の顆粒球の比率が高くなります。

顆粒球が死ぬ(ライフサイクルが終了する)と活性酸素になります。すると、その活性酸素が胃やすい臓を攻撃します。

胃やすい臓の機能が低下すると体調に影響がでますので注意が必要です。

他にも交感神経が優位になると内臓の機能が低下したり、血管を収縮させたりします。

細かいところはさて置き、交感神経が優位になり過ぎるといろいろと問題が起きやすくなるので気を付けなければなりません。

無酸素運動(※筋トレetc.)は交感神経が優位に、有酸素運動(ウォーキングetc.)は副交感神経が優位になります。

ちなみに副交感神経が優位だとリンパ球が増えます。

※健康のための運動は、無酸素運動を週1~2回、有酸素運動を週2~3回ぐらいでいいかと思います。

注⦆:※絶対的理論ではありませんのであしからず(^_^;)
    筋トレ=100%無酸素運動ではありません

運動は自分にあった頻度、量で行うことが重要です。次の日に疲労が残らない程度が目安です。

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.11.20更新

・身体重心位置を把握していることが重要

 

スポーツパフォーマンス向上のためには重心移動が不可欠です。

身体重心については、運動指導の現場で動作を教えるときや動作分析をするときなどによく出てきます。

スポーツ番組でも解説者が重心がどうのこうのと言っているのも耳にします。

言葉にすれば同じですが、重心移動に対する概念は人によって全く違っています(゚Ω゚;)

よく重心が前とか後ろとか、腰を落として重心を低くしろなどという話が出てくるわけですが、

例えば、後ろ重心を直そうとして体を前に倒せば前重心になりますが、足指で頑張ってやっと立っていられるぐらいまで倒せば、結局は力んでしまうことになります。

当然パフォーマンスは上がりませんgan

また、後ろから誰かにドン!と押されたら体重が前がかりになり前重心になりますが、そのさいには倒れないように重心は後ろに移動しようとします。

何を言いたいのかというと、動作に関して重心が前か後ろか、あるいは低い、高いとかいう単純な問題では無いんだということです。

大事なのは、重心の移動の前にそもそも最適な位置に重心があるかどうかが重要だということを理解しているかです。(競技によって最適な位置は違うと思います。)

どんなにどんくさい人でも動けば重心は移動する訳ですからσ(^_^;)

もう1つ、重心の移動方向が正しいかどうかというのもポイントです。

例えば、野球のピッチャーがキャッチャーに向かってボールを投げる場合ですが、重心が正しくキャッチャー方向に向かってないことがよくありますnamida
その場合、球速は上がらないし、コントロールも定まりにくくなります。


体重移動で、あるいは筋力を使って重心を動かすのと、重心を直接動かすというのは起こる現象としては全く違います。

最適な位置から重心を正しい方向に移動させるのと最適でない位置から、または正しくない方向に移動させるのでも結果は全く違ってしまいます。

歩いたり、ゆったりと長く軸足を地面に着いておける動作の場合はごまかしが効きますが、動作が速く、激しくなればなるほどごまかしが効かなくなります。

競技パフォーマンスをUPさせるには、まず重心を正確に感覚的に理解することが大事です!!

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.11.13更新

・動作中のボディバランスを良い状態に保つためには…

 前回の記事で運動中にボディバランスを保つためには内的運動量を一致させる必要があると書きました。

内的運動量の一致とは、

異なる身体パーツを相反する方向に動かすことでエネルギー的バランスをとること

です。

この内的運動量を一致させることが、ボディバランを崩さずに運動を行うための絶対的、そして唯一の方法と言っても過言ではありません。


内的運動量の一致


例えば上図の左側では、肩甲骨の前傾と骨盤の後傾で一致させているイメージで、右側では、骨盤を前方へスライドさせ、重心位置から屈曲させることで、体幹とリード脚により空中で内的運動量を一致させているイメージです。

筋力に頼った動きをするためには、重心を固定し脚で踏ん張ることが必要です。

スポーツ全般で言えることですが、内的運動量を一致させエネルギーの変換を利用しないとパフォーマンスはほどんどあがりません。

動き出したら踏ん張っている暇はありませんので、筋力はほとんど使えません。right arrow筋力を使おうと、あるいは使う気がなくても、踏ん張った時点で重心は止まってしまいます。

ですので、激しく、そして速く移動していればいるほど内的運動量を一致させることが重要になります!

内的運動量を一致させるためには、連動が不可欠になるので、重心を移動させて体を動かす能力が絶対に必要です

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.11.01更新

スポーツやダンスでは、ボディバランスの向上をテーマにトレーニングしている選手が大勢います。

それは、ボディバランスの善し悪しがパフォーマンスに大きな影響を与えるからだと思います。

内容はバランスボールやバランスディスクの上に乗ってバランスを保つ、体幹の筋肉を鍛えて体軸を安定させるなどのトレーニングがほとんどのようです。

不安定な状態でバランスを保ったり、体感を鍛えることで動きの中でバランスを保てるようになるのでしょうか?

答えはNO.だと思います!!

動いているときは、エネルギーバランスが崩れてしまうことでボディバランスが崩れます。

バランスボールやディスクは、止まった状態でのボディバランスの安定を作るトレーニングなので、運動中のボディバランスを保つこととは全くと言っていいほど関係のないトレーニングになってしまいます。

一度崩れたエネルギーバランスを立て直すのは筋力ではどうにもなりません。

もし筋力を使って立て直す場合には、一度動きを止めるか緩めるざるをえません。

また、体幹の筋肉を鍛えて筋力で頑張ってバランスを保つというのは、重心を動かすのが難しくなるので、ボディバランスを保てないだけでなくパフォーマンスも下がってしまいますen

運動中のボディバランスを保つためには『内的運動量を一致させる』ことがとても重要です。

「内的運動量の一致」については次回説明します。

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.10.22更新

スポーツやダンスで高いパフォーマンスを発揮するためには、身体操作や筋力も大切かもしれませんが、それよりも重要なことがあります。

物体が動くとエネルギーが発生します。これを利用することが最大のポイントになります!

動作に置き換えると、重心移動で動き出してエネルギーを発生させ、そのエネルギーを利用、変換して次の動作を行います。

すると、無駄な筋力を使わなくても動作を行うことが可能になります。(体が止まった状態からエネルギーを発生させるためには、必要最低限の筋力を使う必要があります。)

エネルギーの変換による連続動作が行えると競技パフォーマンスを格段にUPさせることができます。

 

そのメリットは、
 
① 疲れにくい

② リードタイムを置かずに次の動作へ移行できる

③ 並進エネルギーを利用して次の動作を行う場合は次の動作をパワフルに行える

④ ブレーキをかけずに、かつバランスを崩さずに進行方向を変えられる(エネルギーに筋力を加えるとバランスが崩れる)

⑤ 関節に負担がかからずケガをしにくい

人が自身で発生させられる最大のエネルギーが「並進エネルギー」ですので、それを利用できるとパフォーマンスがUPします!

例えば走る動作を考えた場合、地面を蹴って進もうとすると筋力を使うため、接地時間が長くなってピッチが遅くなります。

 

代わりに

① リード腕(前に振る腕)を前方にスイングさせるエネルギー

② リード足を前方にスイングさせるエネルギー

③ カウンタースパイラル(肩甲骨と骨盤の反作用)のエネルギー

④ エネルギーの流用 → どうやって流用させる?
   足裏のローリングを使います(スタート、前半は使わない)

を使います(利用するのは並進エネルギーだけではありません)。

 

連動していると

下図の左のように対角の肩関節と股関節の角度が一致します。

そして、下図の右のように肘が伸びれば膝も伸びます。
            ↓
踵から入りローリングが使えるためブレーキがかからない(踵で接地するということではありません。)

内的運動

 

競技パフォーマンスを向上させるうえでエネルギーの利用はとても重要になりますので、第一優先にして考えなければならないと思います!

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.10.16更新

前回、『筋肉の柔軟性をつけて関節可動域を広げても競技パフォーマンスは向上しない』と書きましたが、では何が重要なのか。 

それは、

身体重心の位置把握と、筋力を極力使わずに身体重心を動かすことで動作をする

ことです。

 

直立しているときの重心位置は、へそ下三寸とか仙骨上部のあたりとか言われます。

理論的には床面から身長の約55%の高さとのことです。

ただ、重心位置は体型によって微妙に違いますし、姿勢を変えれば移動します。

走ったり、宙返りしたりした場合は体の外にあったりもしますので、重要なのは理論上どこにあるのかではなく感覚で把握することです。

 

重心を把握するための練習として、足裏より小さい物の上で脱力して立ってみてください。

その時、一生懸命バランスを取ろうとせず、出来るだけ脱力しておへそ周りに意識を向けバランスを取ってみてください。

重心が少しでも把握出来れば、力みそうになる手前で重心を動かして姿勢を変えながらバランスを取ることが出来ると思います!

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.10.15更新

・スポーツパフォーマンス向上と関節可動域の向上の関連性

夏休みなどに陸上競技場に行くと、たくさんの学生陸上部の短距離選手が時間をかけて股関節回りのストレッチ、さらにハードルを跨ぐドリルを行っているのを見かけます。

股関節の可動域の改善が目的でしょうか?

 

他にも多くのスポーツ選手がストレッチを行い、関節可動域の改善に努めています。

関節の可動域を広げることは傷害を予防することにも繋がりますので大切なことです。

特に股関節周りの筋肉の柔軟性に左右差があると骨盤が歪み、腰痛や股関節通を引き起こしやすくなりますので、股関節周りの柔軟性を高めることは大事だと思います。

 

ただ、傷害予防のためなら、可動域を広げるというよりは左右差を無くすことの方が重要ですので、筋肉だけに目を向けてもダメです!

 

では、関節可動域の改善でスポーツパフォーマンスは向上するでしょうか?

立つだけでボディバランスを崩してしまう、尋常でないぐらい体が硬いとかであれば話は別ですが、答えはNOだと思います。

 

競技動作を正確に行うために必要な柔軟性がある人が、さらに可動域を広げてもパフォーマンスが格段に向上するわけでは無いと思います。

例えば、動きが硬くてパフォーマンスが悪い人は関節可動域以外に問題があるはずですので、それを見つける努力が必要です。

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.10.09更新

競技パフォーマンス向上のためにトレーニングをするときに考慮すべきことがあります。

運動には形態がありますので、それを無視してやみくもにトレーニングをするとパフォーマンスは向上しません。

今回は運動の形態について簡単に説明します。

単関節運動…内容:筋を収縮させて、1つの関節を可動させる
      例 :W-TRの単関節運動(アームカールetc.)
      特徴:クローズドモーション(重心を固定する)
      効果:傷害予防、傷害リハビリ

多関節運動…内容:複数の筋を収縮させて複数の関節を同時に可動させる
       例 :W-TRの多関節運動(ベンチプレス、スクワットetc.)
      特徴:単関節運動と同じ
      効果:単関節運動と同じ

連動動作 …内容:異なった身体パーツを相反する方向に可動させ、内的運動量が
         一致するように行われる
       例 :キック、スプリント
      特徴:オープンモーション(重心を移動させながら)
      効果:競技パフォーマンスの向上

連鎖動作 …内容:最初の動作で発生させたエネルギーを変換して次の動作を行う。
       例 :ピッチング、パンチ
      特徴:連動動作と同じ
      効果:連動動作と同じ

決してW-TR(ウエイト・トレーニング)では競技パフォーマンスが向上しないというわけではありません。
W-TRも身体感覚を養うために有効な手段ですし、基礎筋力はある方がいいにこしたことはありませしね。

ただ、やはり競技パフォーマンスに大きく影響を与えるのは連動動作連鎖動作だと思います。

そのためには脱力と重心を移動させる感覚が重要です。

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.10.02更新

キレイな姿勢になるためのポイントは骨をきちんと積み上げる感覚をつかむことです。

まず最初のステップは、骨格を簡単なブロックに置きかえてイメージすることです。

 

あああ

 

左図のブロックの積み上がりが正しいとします。

真ん中と右の図はブロックが崩れた状態のイメージです。

真ん中はいわゆる『でっちり、反り腰』というやつです。

真ん中でも右でも支えとなる棒(脚)がバランスをとるために傾いてしまいますが、そうなると太ももの前がパンパンに張ってしまいますgan


そして支えが傾くと、骨盤位置のブロックが前、または後ろに傾きます(落ちている状態)。

特に崩れるのがおなか部分のブロックです。どちらも腹筋が緩んで背筋は張ってしまいます。


電車の中などで見渡せばこんな人たちが山のようにいます。目を覆いたくなるぐらいですよ。


おなかが出てると気になる人は、まず上の図のようにおなかのブロックがズレていないかチェックしてみてください。


この場合は、おなかを引っこめる前にブロックをしっかり重ねることが必要です。


おなかを引っこめようと腹筋トレーニングを繰り返しても、積み上がりが崩れたままの状態では頑張った分だけ体が悲鳴をあげますun

なんせ腰の部分はスカスカなんですから…


さあ、いざ積み上げをきちんとしようとした場合、結構大胆にパーツを移動させないと動かないかもしれません。なぜかというと、その人の概念の中に全く入っていないからです。

自分の概念の中でしか答えを探せないので永遠に正確な場所が見つかるはずが無いんです。


なので各パーツの位置、角度を全然別の場所に引越しさせるような気持ちでちょうどいいぐらいです。


まず、自分のブロックがどう崩れているか感じてみましょう。そして棒をまっすぐに立てて、その上に正しく積み重ねるようにしてみてください。


ただ一生懸命頑張るのではなく、正確にやることが大切です!

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

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